マイホームは生活の場所であると同時に手持ち資産でもあるため、いざという時には活用してまとまった資金需要に応えることができます。その具体的なやり方としては物件を担保に入れて融資を受けるという手法が古くからよく使われてきましたが、近年ではリースバックの普及も目立っています。リースバックは、不動産の売買契約と賃貸借契約を同時に行うことで、生活拠点を変えずに自宅を売却できるシステムです。物件を売ると同時に買い手と売り手が賃貸借契約を結び、売り手すなわち元の所有者がその物件を賃借して家賃を負担します。

つまり、同じ家に住みながらオーナーから入居者へと立場を変えることとなります。リースバックには、次のようなメリットがあります。まず、売却することによって家賃を支払うことになるものの、売却代金を一括で受け取れることです。介護費用や子供の教育費など、多額の資金需要が発生した時でも、家計に及ぼす影響を平準化することができます。

また、引越しの必要がないというのも、大きなメリットとなります。長年住み慣れた家を離れる必要はなく、近隣の人々に売却の事実を知られることもありません。さらに、維持費が節減できるというのもメリットの1つです。所有者ではなくなることから、それまで支払ってきた固定資産税を負担する必要がなくなりますし、分譲マンション等であれば月々の管理費や修繕積立金なども新所有者の負担になるため、居住者は支払わなくて済むようになります。